From Wife 編集部!
第一期創刊より50年。多くのライターも生んできた[wife]で、あなたも誌面デビューをしませんか!
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毎回楽しみにしている 方のために、少し長いですが、ここに載せます。
元外科医、ハバナ・クラブで乾杯 1
―― 新任地でフロリダ海峡を眺めながらの徒然(つれづれ) ――
カントリー・バーンというアメリカの会社のマヨネーズを、輪切りにしたトマトに塗って、RON(キューバ・ラム:銘柄はハバナ・クラブ)の肴にして食べている。ネパールからキューバに異動し、早くも一ヶ月になろうとしていた。まるで小説のような話だが、僕は、フロリダ海峡を一望する白亜のアパート、キューバの首都ハバナでも屈指の高さを誇るであろう、そのアパートの21階のオーシャンビューの部屋で甘いRONを味わっている。生まれて50年、内陸でしか暮らしたことのない僕には、丸い水平線と万化の雲だけでも肴としては十分なご馳走だ。
それにしても、アメリカ製マヨネーズの不味いこと。10年前のアメリカ生活時代に懲りたはずの不味さ。それなのにマヨネーズ舐めたさに、またその最低の選択に手を出してしまった。普段は、赤ちゃん印の日本製マヨネーズしか口にしない僕なのだが、今回は禁断症状に負けてしまった。
さて、アメリカによる経済封鎖中のキューバで、何故に不味いアメリカ製マヨネーズなのか、つじつまの合わない話ではある。実は今世紀に入りモノの流れは再開しつつあるとのこと。更には欧州からの物流もある。で、その不味いマヨネーズ瓶を空にする前に、僕はスペイン製のマヨネーズにも手を出してしまった。どうしても美味しいマヨネーズを味わいたかったのだ。しかし、これもハズレだった。不味かった。二度までも痛い目を見ては、ネパールから発送した引っ越し荷物に忍ばせた赤ちゃん印のマヨネーズとの再会を待つほかない。それにしても、現実は厳しい。7月下旬にカトマンズの家から送り出した私のマヨネーズ、否、引っ越し荷物は、1ヶ月過ぎてもハバナの白亜のアパートに届いていないのだ。エアカーゴでビューンと運ばれるはずの僕のマヨネーズ(引っ越し荷物)は、何故かドイツ・フランクフルトで検査に引っかかり、漸くハバナの空港の税関倉庫に収まったのは、ちょうど1ヶ月目の先週末だった。空を飛ぶはずのエアカーゴは、実は牛歩だった。引っ越し業者が送料を節約しようとしたからに違いない。そして共産圏では、別送便の輸入審査(単なる書類審査)も牛歩なのだ。空港からアパートまでが、また遠いわけだ。牛のことはヒンズーの国で十分に堪能してきたばかりなのに。まさに、これが現実なのだ。
一方、白亜のアパートは家具付きなので、寝起き・食事などの基本的な生活は、引っ越したその日から可能だった。ちなみに、現在の自分の財産は、赴任の時に自分と一緒に飛行機に載せることができたスーツケース2個とリュック1個分だけである。段ボール25個分の引っ越し荷物がなくても、生存は可能だった。確か、これを「断捨離」というんじゃなかったっけ。まだ捨ててないけど。
この「断捨離」生活、実は快適ではない。手荷物の中に、菜箸(ここでは売ってない)を入れておかなかったので料理がしにくい。マグカップや茶碗(新規購入は勿体ないので、引っ越し荷物の到着待ち)を入れておかなかったので、お茶が飲みにくい。キューバのコーヒーはエスプレッソ・タイプが一般的らしく、アパートに備え付けのコーヒーカップも小振りなのだ。秋冬物の服(やはり引っ越し荷物待ち)を入れておかなかったので、冷房がつらい。実際風邪をひいて、一週間仕事にならなかった。そして赤ちゃん印のマヨネーズを入れておかなかったことは、既に述べた。強制断捨離は、馴染んだ生活スタイルに埋没できないが故に、不便で骨身にこたえる。
さて、不遇をかこちながらも、前向きに締めてみたい・・・。
ネパールから30時間世界半周で降り立ったキューバの印象は、明るい太陽。僕が生まれる前から走っていたであろうクラシックカー。それが交通渋滞なく、適度なスピードで流れている緩さ。大使館通りのアメリカ的なゆったりとした街並みは、塀で仕切ることを至上命題としたようなカトマンズとは別世界。そして良くしゃべる人々、等々。ただし、街を歩いていると、多くの人が、見ず知らずの僕に向かって、チノ(中国人)と言葉を投げるのには辟易した。しゃべりたくて仕方ない国民性とは聞いていたが、一方で、アジア人の顔の区別ができないのだろう。この点は超多民族国家ネパールは優れていた。それにしてもアイデンティティの問題は聞き捨てならない。いい加減頭にきて、「チノじゃない、ハポネス(日本人)だ。」と言い返すと、「おお、それは悪かった。」と屈託なく返してくる。まあ、「ご免なさい」が言える国民性は悪くはない。
広い空も、50年前のままの交通も、見通しの良い街並みも、良くしゃべる人々も、まぶしく温和に感じた。これで、税関職員の役所仕事が迅速かつ友好的だったら、マヨラーの僕としても言うことないのだが、社会主義国でそこまでは期待すまい。フロリダ海峡に雪でも降られちゃかなわない。なにせ折角ヒマラヤから降りてきたんだから。
福岡で、取材が終わってやけに携帯が鳴ると思ったら、妹から矢のようなメール。母が入院と… またか… 発熱して、どんどん熱が高くなっていく、というので救急外来に駆け込んだそう。時期が時期だけに、新型インフルやら、なんやら疑われる検査はすべて受けて、抗生物質の点滴治療のために、少なくても3日間は入院ということになったらしい。
1か月前と同じく、点滴の針は抜くは、暴言ははくは…せん妄状態に。悪夢だ…と心細げな妹だった。それでも、立川の病院はプロだ。大丈夫任せなさいと、受け入れてくれた。
問題は一人留守番状態の父。状態を伝えるために電話を入れても出ない。心だ配したが、10時頃、妹がやっと家に戻れたら、何とか一人で雨戸も閉めて、食卓の前に座って待っていたそう。ご飯も食べずに・・・
これからはとりあえずおにぎりかなんかを机に出しておくといいね、
私は遠隔地でハラハラするだけ。池袋で飲んでいた二男が駆けつけてくれたのがありがたかった。こういうときは、顔をそろえるだけでも心強いはずだから、ありがとう。
そういえば、私がいない時に限って、息子たちもけがをしていたナ。頭を切って救急車で運ばれたり、学校で骨折したり・・・
まだまだ、何が起こるか分からないぞ。
私は女の子を育てた経験がないから不思議でならない。親は、年頃の女の子にどうしつけをしているのだろうか。公の場と、プライベートの場での立ち振る舞いの違いをきちんと教えているのだろうか。
目のやり場に困るくらい、あっけらかんとした態度、流行だからといっても、日本特有のラッシュアワーで身にまとうにはあまりにも場違いな薄着、女子高生の短すぎる制服スカートだけではない、最近は、大学生や大人の女性も大きく胸をはだけて電車に乗ってくるのだ。
昔、電車の中で鼻毛を抜いているくたびれ果てたお父さんたちに、軽蔑のまなざしを投げかけていたけれど、今、人前で平気で化粧をする女性は、そんなおじんと同じだということに気付いてないのだな。誰も、面と向かって注意をしないから、気がつかないのだ。
わたしはいうよ!
男の子の、パンツが見えそうにずるずるとしたズボンもだらしなくてみっともないけれど、あれで誰かが発情して性的犯罪が起こるわけでないから、まだ許せる。でも、短すぎるスカートと、生足と、そしてそのまま酔っ払って地面に座り込んでいるお嬢さんは、犯罪にもつながるということを、お母さんたちはしっかり娘たちに伝えてほしい。

1/20(日)は、立川のギャラリア・ジョコンダで交流イベントを開催。
それぞれが、自分が今やっている仕事や趣味の話、旧わいふや現Wifeと出合ったきっかけの話を持ち寄り、集まりました。
みなさんがお話と一緒に持ってこられたものは、名刺だけではなくて…。
身体障害者とその家族を応援する雑誌あり、こだわり素材のケーキあり、ロハスなレストランのお料理あり、香りあり(アロマセラピーを手がけている方、多いですね〜。10数年前はまだマイナーだったよなあ)、詩や書画の作品あり、顔面筋のワンポイント講座あり…。
旧わいふ副編集長の娘さん(初めてお目にかかったと思うのですが、とーっても素敵なかたでした♪)は、40代からの女性が「動く」ための服を企画・販売しているということで、破格値の衣料品セールも開催。
質のよい素材で伸縮性のある生地を使い、プルオーバーとしてもジャケットのインにも着られるデザイン。しかもほとんどが家庭で洗濯できる(←これ、ポイントでしょ?)という、実に女心のわかった服がたくさんあって、選ぶみなさんの目の真剣なこと!

育児・家事だけで何にもやってないんです…と言いながら、「新年早々、味スタで駅伝に参加しました。今年こそフルマラソンに!」との言葉にどよめいたり、
「普段は幼稚園ママと話すことしかないので、今日はとっても刺激的です」という声に「わかる、わかる」とうなずいたり。
会場はルノアールやダ・ヴィンチ、ドガetc.の複製画に囲まれ、プレイエルのグランドピアノのある美しい空間。
この会の企画中に「せっかくだもの、音楽も楽しみたいですよね〜」と口走ってしまった私は、「Wifeの会員やその友人・家族の中には、きっとここで演奏してくれる人がいるだろう」と思っていたのですが…。そういうときに限って見つからないもので。
「だれか演奏してくれる人いないかな?」と周りを見渡していたとき、「子どもが生まれて休業中かな」と思っていたクラリネット吹きの友人から、現役バリバリ活動中であるらしい年賀状が。声をかけてみたら、急な話だったのに、伴奏してくれるお友達と一緒に来てくれたのです♪
10年ぶりの再会、しかもだんなさんとお嬢さんにもお会いでき、近況を聞いてうれしかった〜!

クラリネットの演奏は、
グノー 「アヴェ・マリア」
モンティ 「チャルダーシュ」
ヴェルディ 「椿姫より 乾杯の歌」
クラリネットの独奏って、子どもたちの音楽教室の発表会で先生の演奏を聴いたことがある程度だったのですが、彼女の楽器からは格段にいい音が響いていました。地球っ子に来てもらっていた当時はまだ学生だった彼女、こんなにすばらしい奏者になっていたとは♪
来てもらってよかった!
ママの演奏に合わせて踊る娘ちゃんのリズム感のよさにも、先輩母たちの目は釘付けでした。もう、可愛いったらないんだもの。
しかも彼女、Wifeの副編集長に見覚えがあると…!?
どういうわけか、音楽関係でも新聞・雑誌関係の場所でもなく、地球っ子の元生徒くんの個展の会場で会ったというのだから、この偶然(いや必然?)はすごすぎる・・・!!
芸のない私の代わりに、前座で息子1にもピアノを弾かせてもらいました。
大人の女性中心の集まり、そこにプレイエルのピアノ・・・っていうことで、息子の数少ないレパートリ−から厳選して(って、選べるほど持ち株がない…)
チャイコフスキー 「四季より 秋の歌」
ドビュッシー 「ゴリウォーグのケークウォーク」
ショパン 「ノクターン 嬰ハ短調(遺作)」
一応そつなく弾きましたが、会場が暑かったせいか、美味しいものを食べ過ぎたからか(私がいろんな人と話している間、一人で食べまくってたもんなあ)、息子はボーッとしていていつもほど迫力のある演奏にはなりませんでした。
ま、しょうがないやね〜、子どもだから。
でもお辞儀はもっとしゃっきりしなさいっ!(いつも照れてうまくできない…)
「うまかったよ」と、バックヤードで聴いていたジョコンダ店長から『モナリザの投影ができるペンライトつきボールペン』をもらった息子は、それがよっぽど気に入ったらしくて、帰りはあちこちにモナリザを映してみるのに夢中でした(笑)。
ありがとうございました〜!
今年はまた何か面白いことをやってくれそうな編集長のシメの挨拶に、参加者は「Wifeの会員を増やしたい!」という思いを高めたでしょうか。